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300
Text by Gogh Imaizumi
最強の男たちとともに、桁違いの映像革命、誕生! そこでは、戦えない子供は谷底へ捨てられ、成人の儀式では飢えた猛獣に独り敢然と立ち向かわなければならない。生き残った者だけが一人前と認められる過酷にして厳格なルールのもと男たちは育てられ、世界史上類を見ないとてつもない国家を作り上げた___それがスパルタだ。侵略をもくろむペルシャ帝国100万の大軍を前にしても、ひるむことのないスパルタ魂。王レオニダスのもとに集まったスパルタ300人の屈強な男たち。ペルシャの巨大軍を向こうに回し、空前絶後の壮絶なバトルへと挑み込む!
「300」は「ヘロドトスの歴史書」中に記されている「テルモピュライの戦い」を描いている。それは紀元前480年8月、南下を進めるペルシャ遠征軍と、スパルタを中心とするギリシャ連合軍との間で行われた戦闘であり、歴史書によるとギリシャ連合軍はスパルタの重装歩兵は300人を中心に、総勢5000人余り。対するペルシャ軍は200万人以上であったとされる。圧倒的数的不利のなか、スパルタ軍は、険しい山が迫る海沿いの土地、テルモピュライでペルシャ軍を迎え撃ち、狭い道幅を利用して大群の利点を封じ込め、3日間にわたって大軍の進行を阻止、甚大な被害を与えた、とされている。映画「300」の原作はコミックス作家フランク・ミラーの同名コミックスである。ミラーは幼少の頃に、テルモピュライの戦いを映像化した映画「スパルタ総攻撃(62年ルドルフ・マテ監督)」に痛く感銘を受け、長じてコミックス「300」を描きおろした。ミラーの描いた「300」はまるで絵本のような装丁の絵物語コミックスである。 映画「300」ではコミックスの味わいを出すために全ての画面は色彩のバランスを操作しており、黒い部分が弱く、彩度を高め、コントラスト比が変えられている。結果、まるでフランク・フラゼッタの絵の様な画面が現出している。登場する役者さん達も全てマッチョであたかもフラゼッタの絵が動いているかのようだ。この作品は1シーンを除くすべてのカットが室内で撮られており、その殆どがブルーバックの前での撮影となっている。つまり登場人物以外の殆どがCGなのだ。そういった作りのものは「スカイキャプテン」「シン・シティ」などが上がるが、言い換えれば「実写の人間を撮り込んだCGアニメ」と言っても過言ではない。ところで現在の日本ではハリウッド映画の様な高いバジェットのものは作ることが出来ないわけだが、斯様なCGアニメなら作れる筈なのである。そういった気構えで昨今は「キャシャーン」「デビルマン」「どろろ」など「実写撮り込みCGアニメ」が盛んに作られているのだが、アメリカ作品と比べてどうもこれらがいただけない。アニメ大国日本である筈なのだが。バジェットが低いと言ってしまう事は簡単だが、どうもそれだけではないような気がする。おそらくそれは「西洋美術を背景とするアメコミ」と「浮世絵を背景とするマンガ」といった感覚から逃れられていないからではないだろうか。つまるところ「300」は「極度にコミックス的な視点を持って作られた実写(CG)」なのだが、日本のそれは「アニメを実写(CG)に置き換えただけ」のものにしか見えないからだ。果たしてそれだけのクリエイターがいないのだろうか。いやそうとは思われない。とすると目利きの出来るプロデューサーがいないのだろうか。
2007年アメリカ作品
監督:ザック・スナイダー
原作・製作総指揮:フランク・ミラー
主演:ジェラルド・バトラー、レナ・ヘディー
配給:ワーナー・ブラザース映画
http://wwws.warnerbros.co.jp/300/
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